経済安全保障の観点から「脱中国」の動きが加速しています。並行して注目を集めているのが、成長著しいアジアの大国・インド。国連は2023年半ばまでにインドの人口が14億2860万人となり、中国を上回って世界一になると推計しています。また、インド政府はGDP成長率が前年度に比べて7.3%増加するとの予測を発表済み。同国を率いるモディ首相は政権発足以来、ものづくり国家の実現を目指す「メイク・イン・インディア」構想を進めてきました。これを受け、米・アップル、台湾・鴻海などのグローバル企業は、既に生産拠点をインドへとシフト。日本でも同国への進出を検討する企業が増えています。今回の勉強会ではインド外交・安全保障の専門家である防衛大学校の伊藤 融教授をお招きし、インドの戦略的重要性と日本企業の進出リスクを解説していただきました。また株式会社FRONTEO 経済安全保障室 戦略チームの永田麻紀子からは、FRONTEO AI“KIBIT Seizu Analysis”を活用したインド企業の解析事例を紹介しました。

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科 教授
伊藤 融
中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程後期単位取得退学、広島大学博士(学術)。在インド日本国大使館専門調査員、島根大学法文学部准教授等を経て2009年より防衛大学校に勤務。2021年4月より現職。『新興大国インドの行動原理―独自リアリズム外交のゆくえ』(慶應義塾大学出版会 2020年)、『インドの正体―「未来の大国」の虚と実』(中公新書ラクレ 2023年)など、インドを中心とした国際関係、安全保障問題に関わる著作多数。
株式会社FRONTEO
経済安全保障室 戦略チーム
永田麻紀子
早稲田大学法学部卒業。シティバンクにて、リレーションシップマネジャーとして顧客の資産管理、投資コンサルタント業務を担当。BNPパリバ証券株式会社にて、フィックスドインカム部門で部長代理として法人営業に従事。リーバイ・ストラウス ジャパン株式会社にて、リテールおよびホールセール業務を経験。現在、株式会社FRONTEO経済安全保障室 戦略チームにて、主に民間企業を担当し、顧客の経済安全保障上の課題解決や戦略立案をサポートしている。